日本人の英語運用能力はアジア諸国の中では残念ながら低い方に位置している。中学、高校と6年間も勉強してきたのに英語が話せないということがよく指摘される。最高学府の大学を卒業したのに英語が話せず、英会話学校へ通い出すなどという無駄なことをやっているのである。なぜ日本人は英語が話せないのか。答えは中学から始まる英語という科目の学習過程にある。アルファベットから始めて、文法や単語を覚えていく日本型システムではいつまでたっても英会話力は身につかない。先日、英語教員になる条件として英検準1級の取得を文科省は発表したが遅きに失した感がある。私たちが日本語を習得していく過程を思い出してみよう。生まれてきたら大量の日本語が耳に入ってくる。
赤ちゃんはひたすら耳に入ってくる日本語を聞いているだけだ。3年間位そうした状況が続いてようやく発語にいたる。その後お母さんや家族からたくさんの日本語を聞き、自ら発語するという家庭を
繰り返す。英語も同じなのだ。まずはネイティブの英語をじっくり3年間位かけて聞く訓練が必要なのである。